むし歯予防最前線
2009年09月10日
歯科疾患実態調査をみなさんご存じですか。これは、六年に一度全国一斉に行われ、昨年秋に実施されました。その結果が発表になりました。それによるとむし歯は減少傾向にあり、やや改善されたとのことでした。
その要因の一つとして「フッ素利用」があげられていました。
現在、むし歯については、その原因と対策は究明されています。諸外国はむし歯が激減しています。日本人の半分以下です。そして、その対策には必ずフッ素利用があります。フッ素利用には、すべての人たちが平等にむし歯予防ができる上水道フッ素添加に代表される「強い歯をつくる方法」。また、フッ素塗布、フッ素洗口やフッ素人り歯磨き剤のような「強い歯に変える方法」があり、日本では後者が主流です。しかし、諸外国のフッ素利用と比べると日本は利用の普及が課題です。
歯の表面エナメル質は、唾液といつも反応しています。清潔な環境では、唾液のミネラルがエナメル質に取り込まれ、エナメル質は成熟します。さらに微小なむし歯も修復します。これを再石灰化といいます。しかし、悪い環境ではエナメル質のミネラル質は溶け出します。これを脱灰といいます。不潔な口の中では脱灰が進み、むし歯となります。
むし歯予防の最前線では、この再石灰化を有効に働かせることに主眼を置いています。甘い物を控えること、歯磨きは当然です。さらに再石灰化を促進するのがフッ素です。皆さんのもっとも身近にあるフッ素は、フッ素人り歯磨き剤です。有効に利用しましょう。学校検診にみられるむし歯の初期段階(CO)には、再石灰化を期待するフッ素利用が最も効果的です。
歯科の健康目標としての八〇二〇運動は定着してきました。歯を失う原因の半分は、むし歯です。八〇二〇の目標達成には、むし歯予防が近道です。