渋川北群馬歯科医師会
カテゴリー:コラム

噛むことは健康の第一歩

2009年09月10日


 私たちが食事をするときに無意識のうちに行っている『噛む』という動作に、体を円滑に機能させるさまざまな効果があることをご存じですか。


 日本では現在、生活習慣病という「人に移らない病気」が死因の70%を占めています。自分の生活習慣が自分の健康を左右する、いわば『自分で自分の健康を守る時代』です。


 健康を守るには、人体に備わった機能を見直し、これを最大限に利用することが基本的かつ重要な手段になります。その重要な手段の一つが『噛む』という機能です。

『噛む』ことの効果

1.噛んでダイエット
 食事をすると、食後1、2時間にわたってエネルギー生産能力が増加します(これを食餌誘発性体熱産生反応といいます)。このエネルギー産生には咀嚼(噛むこと)をしたことによって急上昇する第一相(食後40分以内)と、食物が胃に到達してから緩やかにエネルギー産生を増加する第二相(食後40分後から120分)とがあります。特に第一相のエネルギー産生は脳にある満腹中枢を働かせる信号になります。
 咀嚼を省略する(よく噛まない)と、たくさん物を食べても満腹中枢に信号が速やかに伝わらないことになり、過食による肥満の原因になります。つまり、よく噛むことは誰にでもできる減量ダイエット法です。
2.噛んで記憶力アップ
 食後の脳は食前の脳に比べると脳全体の活動が盛んで、特に記憶をつかさどる「海馬」が活性化します。
 食べ物をよく噛んで食べると海馬がより活性化して記憶力がよくなります。つまり頭の働きがよくなることにつながります。
3.噛んで虫歯予防
 唾液には口の中のばい菌を洗い流す役割や初期の虫歯の再石灰化(虫歯を治す)の役割があります。唾液は噛まなければ分泌されないので、よく噛んで食べるほど虫歯予防に効果があります。

 噛む効果は、ほかにも多くあります。皆さん、よく噛んで食べて健康になりましょう。